ジェンダー平等は家庭から

うつ病になるほど苦痛だった主婦生活で見えた理不尽なジェンダー差別の実体験を綴ります

母親に自室がないことがなぜデフォルトなのか

子育て中の20数年のほとんどの期間、うつ病だった。

多分、ゆっくり休むことができれば、一年も経たずに治っていただろう。

しかし、子供や夫には自室があるのに、私の居場所は台所だった。

寝る時だけ、娘の部屋で、まだ起きている娘に遠慮しながら、電気がついた部屋でアイマスクをして寝ていた。

でも、当時の私は、そんな状況に、全く疑問を持っていなかった。

精神的にはつらかったし、アイマスクをして寝る状況は不満だったものの、自分の部屋がないことについては疑問を持っていなかった。

母の日に子どもからアイマスクを送られるほど、当たり前だったということは、今考えれば異常だった。

 

そんな状況がおかしいと気付いたのは、息子が家を出て、息子が使っていた部屋を自分の部屋にしてしばらくしてからだった。

誰にも遠慮せず、誰にも邪魔されずに、ゆっくり眠れるし、ゆっくりくつろげる、そんな部屋を手に入れてからは、うつ病が次第によくなっていった。

 

今日、NHKのシブ5時という番組の相談コーナーで、夫が在宅勤務になった妻から、自分の部屋がなくゆっくりできずストレスがたまるという相談があった。回答者が「修行だと思って」と言っているのを聞いて、いまだに女性に我慢を強いることが当たり前になっていることに怒りを感じた。

 

なぜ、母親というだけで、こんなに何もかも我慢しなければならないのか?

ゆっくり休める時間も空間もなく、お金の面でも遠慮しなくてはならない上に、病気でも家事を押し付けられる。

しかも、そんな状況を、なぜか母親自身が受け入れてしまっている。

 

本当に不幸なことだ。